ランダムグラフの最大クラスターの成長過程

先日来読んでいるスチュアート・カウフマンの「自己組織化と進化の理論」(ちくま学芸文庫)に以下のようなことが書かれています。

1万個のボタンが(中略)ばらまかれているところを想像してみよう。ランダムに2つのボタンを選んで、それらを糸でつなぐ。今度は、このペアを下に置き、さらに2つのボタンをランダムに選ぶ。そして、それを取り上げて糸でつなぐ。これを続けるのである。(中略)しばらくして、ボタンはより大きなかたまり、つまりクラスターへと相互に連結されるようになる。(中略)ランダムグラフの重要な特徴は、糸とボタンの比を調節していったとき、非常に規則的は統計的振るまいを見せることである。とくに、糸とボタンの比が0.5を超えると、相転移が生ずる。この点において、「巨大なクラスター」が突然形成されるのである。

著者の言う比の値 0.5 はちょっと小さ過ぎるのではないかと思いましたので、Javaの練習のつもりでプログラムを書いてN=5000で走らせた結果が下のグラフです。横軸が糸の本数、縦軸が最大のクラスターのサイズです。2785回糸で結んだあたりで最大サイズのクラスターが倍増する様子が見え、小さな飛躍がありますが、その後は結構なだらかな増加であるように見えます。10000本の糸を使ったのですが、最大サイズは5000まで行きませんでした。つまり、全部のボタンがが繋がった状態には届かなかったということです。

これについて、同僚の八森先生からb Bela Bollobas の The evolution of random graphs という論文
(Transactions of the American Mathematical Society, Vol. 286, No. 1. (Nov., 1984), pp. 257-274. )を教えてもらいました。

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