Seminar Abstract 【ノイズが入るジレンマ状況下での協力形成】 ------------------------------ Speaker: 小山 友介 http://ha1.seikyou.ne.jp/home/yus/index.html Affiliation: 東京工業大学総合理工学研究科 知能システム科学専攻 助手 Date and Time: 2002. 5. 23 (Thu), 4:30 - 6:00 p.m. Place: 3F1136 Chair: 秋山 英三 ------------------------------ Abstract: 本研究の目的は、コミュニケーションを通した信頼構造の形成が 協力形成に果たす役割を検証することである。 そのため、進化・学習するプレーヤーによるゲーム世界を計算機 上につくり、社会的ジレンマのシミュレーションを行なった。 このゲーム世界で各プレーヤーは:  (a)知的レベル  (b)自分の協調性  (c)相手に対する信頼度の初期値  (d)相手への信頼度の修正速度(学習速度) をパラメータとして持っている。 これらのパラメータと過去の経験から各プレーヤーは  (1)相手の協調性を推測し、 さらに  (2)『相手が自分の協調性をどう推測するか』を推測する。 そして、これら推測をもとに、最適反応としての自分の行動を決定する。 シミュレーションの結果から、質問紙調査と被験者心理実験(山岸俊男) で実際に見られたような行動(知的レベルが高いと初期信頼度が高く、 信頼の修正速度も高い・知的レベルが低いと、初期信頼度が低く、 信頼の修正速度も低い)が、ある条件の下では robust に現れうることが 分かった。また、現れる戦略に多様性が見られ、その多様性の源泉は 学習速度パラメータにある、ということが分かった。