最も簡単なタイプの式は定数で、これは常に同じ値を持ちます。定数には、数値定数、文字列定数、正規表現定数の3つのタイプがあります。
数値定数は数を表します。この数は整数、小数、または、科学的表記法(指数表記法)の数です。すべての数値は、awkの内部では倍精度浮動小数点で表現されます。数値定数をいくつか次に示します。これらはすべて同じ値を持っています。
105 1.05e+2 1050e-1
文字列定数は二重引用符で囲まれた文字のシーケンスで構成されます。たとえば、
"parrot"
これは、内容が`parrot'である文字列を表します。gawkでは文字列の長さに制限がありません。また、ASCII NULを含む可能なすべての8ビットのASCII文字を含めることができます。他のawk処理系では、含めることができない文字コードもあります。
そのままでは文字列定数に含めることができない文字もあります。そのような文字は、バックスラッシュ(`\')で始まる文字シーケンス(エスケープシーケンス)で表現します。
エスケープシーケンスの用途の1つは、文字列定数に二重引用符文字を含めることです。二重引用符だけでは、文字列の終りを意味するので、文字列の一部として1つの二重引用符文字を表現するには`\"'を使わなければなりません。バックスラッシュそれ自身も、普通には含めることのできないもう1つの文字です。バックスラッシュを文字列に含めるには、`\\'と書いてください。したがって、内容が2文字の文字列`"\'は`"\"\\"'と書かなければなりません。
バックスラッシュのもう1つの用途は、ニューラインのような非印字文字を表現することです。非印字文字のほとんどは、直接、文字列定数中に書くことができますが、見にくくなってしまいます。
awkで使われるすべてのエスケープシーケンスを以下に示します。
\\
\a
\b
\f
\n
\r
\t
\v
\nnn
`\xhh...
定数正規表現は、/^beginning and end$/のようなスラッシュで囲まれた正規表現の記述です。awkプログラムで使われるほとんどの正規表現は定数ですが、演算子`~'と`!~'は、計算型正規表現または"動的"正規表現も照合できます(see section 正規表現の使い方)。
定数正規表現は演算子`~'や`!~'といっしょに使った場合だけ有用です。定数正規表現を変数に代入したり、表示することはできません。通常の意味では、定数正規表現は式ではありません。